ニュース

各種ニュース・プレスリリースと各種イベント・セミナーをご覧いただけます。

2018年03月29日

Green Hills Software、クリティカルな組込みソフトウェア向けに最も先進のコンパイラを提供

~ Compiler 2018.1はC++14を加え、顧客の性能目標をも上回って最高水準の機能安全に対応 ~

 

独ニュルンベルク 2018年2月27日発表 – モノのインターネット(IoT:Internet of Things)最大手の独立系ソフトウェアベンダーであるGreen Hills Software(以下、GHS)は、ARM®、Intel®、およびPower Architecture®をはじめとする、卓越したあらゆる組込みプロセッサアーキテクチャ向けに高度に最適化された32 / 64ビットのC/C++組込みソフトウェアアプリケーションの開発シーンでC/C++最適化コンパイラ Green Hills Compiler 2018.1(以下、Compiler 2018)が利用可能になったことを発表しました。主だったグローバル顧客とGHSのコンパイラ設計者が性能に焦点を合わせたプロジェクトに没頭した結果、顧客は3倍速くなったベクトル処理スピードと、LLVM自身のベンチマークにもかかわらず、LLVM Compilerに勝るスコアを目の当たりとすることになりました。Compiler 2018のその他の目玉としては、C++14の完全サポート、Spectreの緩和策、および最高の機能安全水準に対するサポートなどがあげられます。Compiler 2018によって、自動車、工業制御、高性能計算(HPC)、デジタルストレージ、コンシューマ製品といったあらゆる組込み市場において顧客は、自社製品のより迅速な市場投入、安全性とセキュリティ要件の達成、そして、プロセッサ性能の最大限の活用が可能となります。

組込みプロセッサは、近代世界の原動力となっています。プロセッサコア能力解放の核心という立ち位置で、GHSのコンパイラ、ツールチェーン、および統合開発環境 MULTI®は、クリティカルなソフトウェアシステムを作成する何千ものグローバル企業から信頼されるプレミアムコード生成のスタンダードとして35年間高い評判を維持し続けています。

 

● 最適化された性能

Compiler 2018の開発において、GHSは、コード実行性能ですべてのコンパイラを打ち負かすという挑戦に対し、複数のグローバルな顧客と提携しました。その結果は、次のように見事なものでした。

  • LLVM Compiler向けにチューニングされたLLVM Foundation自身のC/C++テストスイートのベンチマーク(v5.0)に比べて、GHSのCompiler 2018の速度は、LLVMよりもARM上で4.2%、ARM64上で3.4%速くなっています。

Compiler 2018は、ARM/ARM64 NEON、Intel SSE、およびPower ArchitectureのSIMD(Single Instruction Multiple Data)アクセラレーションユニット向けにベクトル処理が加速された自動ベクトル化を有し、しかも安全性まで認定された唯一のコンパイラです。

  • Compiler 2018のC++14に対する自動ベクトル化は、業界標準のEigenベンチマークにおいて、ARM、ARM64、およびIntelアーキテクチャ上で14%以上改善され、ARMアーキテクチャ上のLLVMコンパイラを打ち負かしています。
  • ARM NEON SIMDに対する自動ベクトル化によって、自動車分野の顧客が提供する、ベクトル集約型の画像認識、深層学習、およびビジョン処理に的を絞った実アプリケーションコードで、GNUコンパイラやLLVMベースの他のコンパイラよりも3倍上回る優れた性能向上を達成しました。

 

Green Hills Software社 創業者・社長兼CEOであるDan O’Dowd(ダン・オダウド)のコメント:

「当社のC/C++最適化コンパイラは、ご自身のアプリケーションコードに最高の性能を求めるお客様に提供される欠くことのできないコンポーネントです。お客様が、当社と共に意欲的なゴールを伴う性能重視のプロジェクトに従事されることで、お客様のコードを深く分析しながら、最適なコンパイラの設定を提案したり、お客様コードの構造に対する助言を行ったりして、我々はこうしたゴールを達成し、さらにはそれを乗り越えます。我々の35年を超える歴史を経て、こうしたコンサルティングを通じた顧客プロセスは、組込みプロセッサに対する世界最高のコンパイラテクノロジを供給してきたばかりでなく、お客様がご自身のアプリケーションに対し、最も速い性能を達成できるように支援し続けています。」

 

● 認証された安全性、信頼性、およびセキュリティ

GHSのC/C++最適化コンパイラは、自動車(ISO 26262 ASIL D)、工業(IEC 61508 SIL 3)、および鉄道(EN 50128 SIL 4)で最高水準の機能安全認証を達成しており、その認証の幅広さと奥深さにおいて他に並ぶものがありません。このコンパイラは、業界で最も完成度の高い機能安全パッケージの一部です。

  • 安全性が証明されたCコンパイラとCランタイムライブラリ
  • C++03、C++11、およびC++14をサポートする、安全性が証明されたC++コンパイラとC++ランタイムライブラリ
  • ビルトインのMISRA-C Adherenceチェッカと静的ソースコード解析ツール DoubleCheck™に密接に統合されながら、単一パスコンパイルの一環としてシームレスに動作
  • 既に認証取得済みのリアルタイムOS INTEGRITY®に不可欠な存在
  • 機能安全やセキュリティ専門機関による顧客システム認証支援サービス
  • Spectreサイドチャネルセキュリティ脆弱性(Variant 1: CVE-2017-5753とVariant 2: CVE-2017-5715)に対する緩和策が含まれるCompiler 2018と将来のアップデート

 

Electronic Design Senior Technology EditorであるBill Wong(ビル・ウォン)氏のコメント:

「C++14は、自動運転車といった機能安全とセキュリティに関連した組込みアプリケーションに使用されます。GHSのトラステッドなコンパイラが使用可能であることが、一方では、プロセッサコアとSIMDアクセラレータの性能を最大限に活用しながら、ISO 26262やIEC 61508といった機能安全の認証に取組むときのキーとなっています。信頼性のある最適化されたコードが生成できるこのようなツールをお客様が使用することは、とても重大なことなのです。」

 

● 互換性と生産性

組込みシステムの開発においてソフトウェアの開発フェーズは、得てして最も費用がかかる部分です。Compiler 2018には、市場投入までの期間と量産までの期間を短縮するために、以下のような新機能が追加されています。

  • マルチスレッディングアプリケーションのミューテックス / ロッキングの共有、ラムダ関数と変数テンプレートの拡張、さらには、数多くの言語機能をはじめとする、ISO/IEC 14882:2014規格で定義されたC++14の新機能のサポート
  • 柔軟性を高めた使いやすいテンプレート
  • 未使用データを削除するリンカ最適化の改善
  • お客様の巨大な自動生成コードのコンパイルを手助けする32ビットと64ビットのコンパイラバイナリ提供

 

■ Green Hills Software, Inc.(GHS)について

Green Hills Software社は1982年に設立され、独立系として最大の組込みソフトウェア・ソリューション・プロバイダです。2008年、GHSのINTEGRITY-178B リアルタイムOSは史上初めて、また唯一NIAP(米国国家情報保証パートナーシップ:NSAとNISTの共同事業)により ”EAL6+, High Robustness“ として認証されました。これは、これまでソフトウェア製品が達成した最高レベルのセキュリティです。GHSのオープン・アーキテクチャの統合開発ソリューションは、機器に緊密に組込まれ、セキュリティが絶対的に重要で高い信頼性をもち、工業界の認証を受けたソリューションを求める軍事・航空、医療、工業、自動車、ネットワーク、および家電分野のアプリケーションを対象としています。本社は米国カリフォルニア州サンタバーバラで、欧州本社を英国に構えており、日本を含むアジア地域では、GHSの技術パートナーである株式会社アドバンスド・データ・コントロールズがサービスを提供しています。GHSに関する詳しい情報は、Webサイトhttp://www.ghs.com/ をご覧ください。

 

■ 株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ(ADaC)について

アドバンスド・データ・コントロールズは、1982年に設立され、「最適なソフトウェア開発環境」を常に追求し、時代を先取りしたベスト・ソリューションをトータルに提供するリーディングカンパニーです。ワールドワイドなアライアンス体制を強みに、米国 Green Hills Software社の技術パートナーとして、ローエンドからハイエンド製品まで対応した組込みシステム開発ソリューションや、タイミング検証・最適化ツールなどの自動車関連ソリューションを、日本の顧客ニーズに対応した形式で提供しています。ADaCに関する詳しい情報は、Webサイトhttp://www.adac.co.jp/ をご覧ください。

 

【本件に関するお問合せ】

株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ  営業本部 企画部
TEL:03-3251-3170 / FAX:03-3251-3167
E-mail:planning@adac.co.jp

*Green Hills Software、およびINTEGRITY、Multivisor、MULTI、DoubleCheck、Green Hills Probe、SuperTraceは、米国、およびその他の国におけるGreen Hills Software,Inc. の商標または登録商標です。その他の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

年別アーカイブ