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2013年04月23日

Green Hills Software、MIPS社とルネサス社のマイクロコントローラ向けに、 マルチコア対応TimeMachineトレースツールを発表

~受賞歴のあるツールスイートが、マルチコア・デバッグ能力と分析能力を拡張~

 

米カリフォルニア州サンタバーバラ、2013年4月16日発表 – 最大手の独立系組込みソフトウェア・ソリューション・プロバイダであるGreen Hills Software社(以下、GHS)は、業界最先端のトレースベース・デバッガ TimeMachine™ tool suite(以下、TimeMachine)を、マルチコア向けに幅広く能力拡張したことを発表しました。

マルチコア対応のTimeMachineは、MIPS Technologies社や、ルネサス エレクトロニクス社のRH850やV850マルチコアプロセッサ上で実行されるソフトウェアの複雑な相互作用に対して、これまでにない高いレベルの可視性をサポートすることによって、マルチコアベースのファームウェア製品の市場投入までの期間を短縮し、信頼性を高めます。SoC設計者にとってマルチコア対応TimeMachineは、テープアウト前のチップ検証を支援する強力なツールであり、結果としてリスクの軽減、市場投入、およびチップ販売までの期間短縮をもたらします。TimeMachineの高度なスクリプト能力は、仮想プラットフォーム上におけるテスティング自動化を可能にします。

 

MIPS Technologies社、および同社のMIPSマイクロプロセッサ・アーキテクチャを買収した、Imagination Technologies社 Marketing Group EVPであるTony King-Smith(トニー・キング・スミス)氏のコメント:
「Imagination社は、長年のパートナーであるGreen Hills社が、マルチコア対応のTimeMachineツールを、MIPS CPUに対しても使えるようにしてくれたことを嬉しく思います。マルチコア、およびマルチスレッド化されたMIPSコアは、幅広い組込み製品や消費者向け製品において、高性能かつ効率的な処理を提供します。マルチコア対応TimeMachineを用いることによって、MIPSプロセッサ向けソフトウェアを制作する開発者は、新しい水準の可視性と制御性を持ち、強力な新しい手段を使ってコードのデバッグ、最適化、テストを行う能力を得ることになります。」

 

ソフトウェア開発者に対して、マルチコア対応TimeMachine は、開発者がSoC内の複数のコアを横断して時間を巻戻しながら、ソフトウェアの実行を目視・再現し、デバッグすることを可能にします。TimeMachineは、ファームウェアエンジニアがマルチコア・システムの中のバグと非効率な部分を速やかに発見することを可能にします。GHSの統合開発環境 MULTI®の一部を利用すれば、マルチコアのバグを容易かつ迅速に取除くことができます。TimeMachineによるトレースに基づく目視が可能でなければ、複数の非斉次コア間の複合的相互作用を理解することは難しく、ソフトウェア欠陥があった場合に、ターン・アラウンドタイム(テストを開始してから欠陥の修正を終えるまでの時間)が長くなってしまいます。

TimeMachineデバッガは、すべてのコアにおいて、ユーザが時刻を合わせながらステップを進めたり、戻したりし、ソフトウェア、およびハードウェアのブレークポイントを設定して、ブレークポイントに到達した時にすべてのコアが同期して停止するように、前方へ向けて実行を進めたり、後方へ向けて実行を巻戻したりすることを可能にします。開発者は、何ギガバイトものトレースデータから、非作為的(non-intrusively)に取出したプロファイリング情報(合意された解釈に基づく情報)を用いて、プログラムを最適化できます。デバッギングとは別に、同様にトレースデータから非作為的に導出したコード・カバレッジデータは、テスティングの完全性に対する確信を与えてくれます。

 

Green Hills Software社 Advanced Products Group Vice PresidentであるTim Reed(ティム・リード)のコメント:
「過去10年間、TimeMachineは、組込み業界では、もっとも難しいバグ(発生が間欠的で、再現が難しいため、ソフトウェアの実行を遅らせたり、バグ発生の原因になったりした)を見つけ出す最高のツールとされてきました。難しいバグは、非常に複雑なデバイスの上で、ソフトウェアが複数のコアに跨って実行するようになったため、ここ数年、複雑化の一途を辿っています。マルチコア対応TimeMachineは、SoC上のすべてのコアの実行を繰返し再現することを可能にし、開発者に対して、最も難しい問題を効率的に解決するために必要な制御と可視性を初めて与えることになります。」

 

● TimeMachineについて

TimeMachineデバッガは、開発者に対して、障害が発生した後、アプリケーションを発生時刻にまで巻戻して、発生元の原因を容易に特定する能力を提供します。このことは、前世代のデバッガが必要とした、試行錯誤デバッギングという、退屈で先の見えないプロセスからの開放を可能にします。TimeMachineは、PathAnalyzerなど数多くの可視化ツールを包含し、複雑なシステムの実行フローに光を当て、性能ボトルネックの位置を特定し、それを改善することをより容易にします。

 

● SuperTrace Probeについて

SuperTrace™ Probeは、300 MHz以上の速度で走るトレースポートをサポートし、CPUが全速で実行する間に大量のトレースデータを収集します。TimeMachine は、収集したトレースデータを分析して、プロセッサが経由したコード実行ステップを再構築します。SuperTrace Probeは、プロセッサのトレースロジック、およびプロセッサ実行中にトレースデータを捕捉するチャンネルを共に制御する、単一の方法をサポートします。SuperTrace Probeは、トレース特性のほかに、Green Hills Probeが持つ実行制御特性をすべて包含しています。

 

■ Green Hills Software, Inc.(GHS)について

Green Hills Software社は1982年に設立され、独立系として最大の組込みソフトウェア・ソリューション・プロバイダです。2008年、GHSのINTEGRITY-178B リアルタイムOSは史上初めて、また唯一 NIAP(米国国家情報保証パートナーシップ:NSAとNISTの共同事業)により ”EAL6+, High Robustness“ として認証されました。これは、これまでソフトウェア製品が達成した最高レベルのセキュリティです。GHSのオープン・アーキテクチャの統合開発ソリューションは、機器に緊密に組込まれ、セキュリティが絶対的に重要で高い信頼性をもち、工業界の認証を受けたソリューションを求める軍事・航空、医療、工業、自動車、ネットワーク、および家電分野のアプリケーションを対象としています。本社は米国カリフォルニア州サンタバーバラで、欧州本社を英国に構えており、日本を含むアジア地域では、GHSの技術パートナーである株式会社アドバンスド・データ・コントロールズがサービスを提供しています。GHSに関する詳しい情報は、Webサイト http://www.ghs.com/ をご覧ください。

 

■ 株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ(ADaC)について

アドバンスド・データ・コントロールズは、1982年に設立され、「最適なソフトウェア開発環境」 を常に追求し、時代を先取りしたベスト・ソリューションをトータルに提供するリーディングカンパニーです。ワールドワイドなアライアンス体制を強みに、Green Hills Software社の技術パートナーとして、ローエンドからハイエンド製品まで対応した組込みシステム開発ソリューションを日本の顧客ニーズに対応した形式で提供しています。また、CAN/FlexRayの設計・解析ツールやコンフォーマンス認証などの車載ネットワークソリューションにも力を入れています。ADaCに関する詳しい情報は、Webサイトhttp://www.adac.co.jp/ をご覧ください。

 

【本件に関するお問合せ】

株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ  営業本部 企画部TEL:03-3251-3170 / FAX:03-3251-3167
E-mail:planning@adac.co.jp

*Green Hills Software, およびINTEGRITY、MULTI、TimeMachine、SuperTraceは、米国、およびその他の国におけるGreen Hills Software,Inc. の商標または登録商標です。その他の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

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